交通事故の損害賠償というのは、一般の方からしてみると、とても難しい仕組みになっています。
そして、これが被害者の方や被害者のご家族が「適正な損害賠償金を受け取れない」という現実を生んでいます。
被害者の交通事故の知識はごくわずかです。
それに比べて、示談の相手となる保険会社の知識と経験は膨大です。
そのため、本来、被害者が受け取るべき適正な損害賠償金と保険会社が示談で提示する損害賠償金の案には、大きな開きがあることが少なくないのです。
もし、不幸にも交通事故に遭ってしまったのであれば、示談書に判を押す前に本書をご一読ください。
また、もし親族、お知り合いの方で交通事故の被害で苦しんでいる方がいらっしゃれば本書に書かれていることをお伝えください。
●第1章 交通事故被害者が守るべき5大鉄則
・交通事故被害者が気づかないうちにしがちなミス
交通事故被害者の鉄則1 どんなことがあっても一定期間・・・
交通事故被害者の鉄則2 治療のための費用を抑える
交通事故被害者の鉄則3 実況見分できちんと・・・
交通事故被害者の鉄則4 証拠をできるだけ集めておく
交通事故被害者の鉄則5 示談する前に・・・
・交通事故加害者に発生する3つの責任
●第2章 交通事故被害者が知るべき基本
・自賠責保険と任意保険、2つの保険の関係
・相手が自賠責保険に加入していない時は?
・損害賠償金の中身と過失相殺の意味
・保険会社への報告をまめにしよう
・ケガの治療は自身の健康保険で行おう
・示談成立までの流れを知るとトラブル防止になる
・自賠責保険会社への請求をするべきかの判断
自賠責保険が支払われるまでの流れ
●第3章 多くの被害者が適正な賠償金を受け取っていない事実
・そもそも示談とはいったい何か?
・保険会社が「基準に基づいて」と言ったら要注意
・損害賠償金の中身をきちんと理解する
・弁護士に示談交渉の相談をするタイミングは?
・交通事故に強い弁護士を探す方法は?
・示談が決裂してしまった時は?
●第4章 後遺障害が残った場合の示談の対策
・後遺障害が残った時の損害賠償の中身
・後遺障害のレベルの認定はどのように行われるのか
・生活が苦しい被害者は「被害者請求」をすべき
・同じ診断名でも違う等級になることがある
・逸失利益はどのように算出されるか
●第5章 被害者が亡くなった時や頭部に損傷を負った時の対策
・被害者が死亡した時の損害賠償の中身
・損害賠償金を受け取れる相続人は何を基準に決めるのか
・損害賠償金の相続割合は何を基準に決めるのか
・損害賠償請求をしてはじめて示談は進む
・植物状態となった被害者の損害賠償の中身
・高次脳機能障害にも後遺障害等級が認められる
・本人が示談・訴訟ができない時は成年後見人制度を
●第6章 交通事故被害者に役立つ資料
【著者紹介】
弁護士 谷原 誠(たにはら まこと)
交通事故相談を年間1173件受ける(2011年実績)
「みらい総合法律事務所」の共同経営者。
明治大学法学部卒業。1991年、司法試験に合格。
「報道ステーション」「スーパーチャンネル」(テレビ朝日系)他、多数のテレビ番組にコメンテー
ターとして出演。
『交通事故被害者のための損害賠償交渉術』(同文館出版)、『交通事故訴訟における高次脳機能障害と損害賠償実務』(ぎょうせい)、『交通事故訴訟における脊髄損傷と損害賠償実務』(ぎょうせい)をはじめ著書多数。